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撥の重さの違いは何?おすすめは?

2021.3.18   2021.3.27
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津軽三味線を弾くあなたの悩みや疑問に現役プロ奏者がお答えします。

今日の疑問

津軽三味線の撥(ばち)の重さは様々ありますが、重さの違いによるメリットやデメリットを教えてほしいです。また、オススメの重さはありますか?

こちらの疑問は生徒さんから頂きましたが、同じように知りたい方が多いのではないかと思います。

では早速お答えしていきましょう。


津軽三味線に使われる撥の重さはどのくらい?

津軽三味線に使用する鼈甲撥の画像です

津軽三味線では、撥先が鼈甲(べっこう)のものをおもに使います。

それに対して、手元(持ち手部、台)の素材は様々です。


私の中では、120g以下が軽い撥180g以上が重い撥、というのがざっくりとした認識です。


標準や平均という言い方が正しいかはわかりませんが、上記の中間値になる150g前後が一般的な重さではないかと思います。

120g以下⇒軽い

150g前後⇒標準

180g以上⇒重い

広く流通している撥は、140~155gという印象です。


重さの違いによるメリットやデメリットは?

撥が軽いと、撥を振る動作が軽くできます

そのため撥付けを楽に行うことができ、連打をしても疲れにくいのがメリットと言えます。



逆に撥が重いと、撥を振るのは大変になります。

特に速い撥付けやテンポの速い曲では、腕に多少の負担がかかります。

長い時間弾いてるとダルさが出る感じです。


また重い撥では軽い撥に比べて撥を保持する力が必要になるので、手や手首への負担が多少大きいです。



一方、重い撥のメリットは、強打が打ちやすい点です。

津軽三味線の打ち撥は、叩き三味線の場合、撥先を皮に叩きつけるように撥を振って打ちます。

その際、撥を振る勢い(初速)と撥の重さを利用して皮に撥を当てます。

撥が重いほどパワフルに当てることができるのです。



この点で軽い撥は不利で、より強く当てるために技術(コツ)が必要になってきます。

軽い撥: 負担は少ないが、強い撥付けがしにくい

重い撥: 負担は大きいが、強い撥付けがしやすい


おすすめの重さは?

まず最初の一丁については、一般的な重さである150g前後のものを選ぶのが良いと思います。

女性の中でも自分は少し力が弱いなと思う方は、少し軽めよりのものを選ぶのが良いと思います。


1~2年程度弾いていれば、もう少し軽い方が弾きやすそうだなとか、重い方が良い音が鳴らしやすそうだなとか、そういう感覚が出てくると思います。



また演奏する曲や出したい音によって、使い分けるのが望ましいです。


津軽じょんから節の曲弾きなどで迫力のある音を鳴らしたいなら、重い撥がオススメです。

花笠音頭などの一般的な民謡では思い切り叩く必要がありませんので、軽めの撥の方が弾くのが楽だと思います。

速くて手が細かい曲の場合には、重い撥では弾きにくいかもしれません。



重さの感じ方は人によって違いますので、いろいろな撥を試して自分に合うものを探すのが理想です。

(個人的にはボーリング玉の重さを選ぶのと似てるなと思います。)



撥屋さんによっては現物を弾かせてもらえたり、試し弾き用の撥を用意してくれていたりするところがあります。

また津軽三味線の大会のロビーには撥屋さんが来ていることが多く、奏者さんが試し弾きしているのをよく見ますよ。


私が使っている撥の重さは?

私がメインに使っている撥は、180g超の重い撥です。

津軽五大民謡の唄付けでは、特に重い撥が私的には弾きやすいです。

北海道~東北民謡を中心としたほとんどの曲をこの重い撥で弾くことが多いですが、超がつくほどテンポの速い曲では150gほどの一般的な重さのものを使います。

また軽い撥でなくては出せない音もありますので、120g程度の軽い撥も使います。


【補足】鉛で重さを調整された撥について

撥の重さは素材の重さで当然変わりますが、鉛などの重りを入れて調整される場合があります。

鉛を入れる位置によって、重心が偏っているなどバランスの悪い撥があるので注意が必要です。

撥の手元は均質であることが望ましいですね。



※流派や先生の考え方によって、見解が異なります。



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代表 / 講師

高崎 将充

プロ津軽三味線奏者

津軽三味線/民謡三味線歴 25年

2018年全日本津軽三味線競技大会デュオ部門 優勝

2019年津軽三味線世界大会唄付け伴奏A級(最上位部門)準優勝


プロが教える津軽三味線教室

2015年4月設立

6年間で100名超の指導実績




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